安心感の研究 by 暖淡堂

穏やかに日々を送るための試みの記録

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2021-01-01から1年間の記事一覧

猫と密室 「茶の湯」の密室 神田紅梅亭寄席物帳 愛川晶

寄席に行ってみたいと思う。行こうと思えばいつでもいけるのだが、まだ実現できていない。敷居の高さをなんとなく感じてしまうのだ。寄席は客を選んだりしない。それはわかっている。こちらが落語家の意図を読めないのではないかと勝手に心配して、二の足を…

ペガサスの朝 五十嵐浩晃

おはようございます。 暖淡堂です。 日の出の時間が大分遅くなっていますね。 冬至までは遅くなり続けますね。 朝、しばらくは静かな時間を楽しみたいですが、それからは気分が上がるような何かが欲しくなります。 そんな時はお気に入りの音楽を聴くのがベス…

クレオパトラの夢 甲田まひる

こんにちは、暖淡堂です。 日曜日の朝、いかがお過ごしでしょうか。 秋らしくなってきましたね。 「クレオパトラの夢 Cleopatra's Dream」という曲をご存知でしょうか。 バド・パウエルの演奏が有名かもしれません。 以下に紹介する甲田まひるさんの演奏もお…

大きな夢が実現するまで 「天狗照る 将軍を超えた男 ー相場師・本間宗久」 秋山香乃

鳥海山を望む出羽の国庄内藩酒田の富商本間家新潟屋の五男伝次は、幼馴染の千沙の姿を街中で偶然見かけ後を追う。江戸に行く前に伝次の姿を見たかった千沙がそっと近づいていたのだった。そこで伝次は千沙が金で買われたことを知る。幼馴染の身の上に突然訪…

後醍醐天皇の皇子たちはどうなった? 義良親王 北方謙三「破軍の星」を読む

後醍醐天皇の皇子の一人、義良親王(「のりなが」、または「のりよし」。「六の宮」とも。のちの後村上天皇)は幼くして鎮守府大将軍として陸奥に赴任します。それを陸奥守として助けたのが北畠顕家。北畠顕家も赴任時はまだ一六歳でした。 生年は一三二八年…

そこで働くのは何故? 駅物語 朱野帰子

働き始めたとき、なにを考えていたのか、もう思い出せない。なにかを心にきめて故郷を出てきたはずだ。それなのに。 日々、様々なことを経験するうちに忘れてしまったのだろう。それに、なにを考えて働き始めたのか、思いだせなくても困ることはないのだ。ど…

いつも同じ作者の本ばかり読んでいてはだめ

ここ数年、読み慣れない作者の本には手が伸びませんでした。どうしても馴染みの作家の本ばかり読んでいました。 太宰治の「津軽」はもう10回位読んだし、芥川龍之介の「河童」や「歯車なども同じくらい読んでいると思います。 椎名誠さんの本は、どれも最低3…

後醍醐天皇の皇子たちはどうなった? 大塔の宮護良親王のこと 北方謙三「悪党の裔」を読む

建武の新政を実現した後醍醐天皇には皇子が数人いました。そのうち鎌倉幕府を倒すのにもっとも活躍したのが大塔おおとうの宮護良もりよし親王です。皇子でありながら武士の一軍を率い、鎌倉幕府の軍勢との戦を指揮しました。貴族の大塔の宮は、建武の新政が…

街角で見かけたあれはなに? モペットバイクって?

少し前ですが、家族で車で買い物に行った帰り、車道の脇を軽快に飛ばす自転車がいました。安定した速度で走っているのですが、ペダルをいつまでも漕がない。なぜそんなことができるのかと思い、近づいた時によく見てみると。 ついていました。燃料タンク。そ…

ボルヘスが結婚を申し込む女性に贈った意外なもの ボルヘス「アレフ」を読む

ボルヘスは結婚を申し込むことになる女性に、物語を贈った。それが短編小説「アレフ」である。ボルヘスはノートに書き込んだ草稿を手に彼女のもとを訪れた。それをボルヘスが読み上げ、その女性がタイプライター原稿にした。その女性はエステラ・カントとい…

コロナ後も習慣として続けたいこと

コロナの新規感染者数が減ってきていますね。それに伴って、人々の感染防止策への関心が低下していないか心配です。感染拡大時には三密を避ける、距離を取る、うがい手洗い、マスク着用などが推奨されていました。まだまだ油断はできません。続けていきまし…

貧相ですが、何か? 土屋賢二 12年物

大学の哲学教授に憧れるのは、このような本を読んだときである。 日々押し寄せてくる難題に、知力を振り絞った弁解とユーモアでもって立ち向かう、その勇気をわけてもらいたい。 口先一つで難事をかわすその手際があまりにも鮮やかだ。 失敗しているように見…

×「われわれは宇宙人である」 〇「われわれはミステロンである」

暗い画面で観ていたTV番組をもう一つ。 「キャプテンスカーレット」 「われわれはミステロンである」のセリフは 私の父親の大好きなフレーズで、心のどこかにはまったらしく、 しょっちゅう口にしていた。 私や妹はそれをキャッキャいいながら喜んでいた。 …

気になる部分 岸本佐知子 15年物

思い出すと、読みたくなってしまう。 岸本さんのエッセイ本は2冊持っているが、どちらも目に入ると気になってしかたがない。 そして、一旦読み始めてしまうと、終わりまで手から離れないのだ。 変わった人の書いた文章というだけではない、何かがある。 この…

新宿よりも西 多摩川周辺 鉄道沿線

こんにちは、暖淡堂です。 嫌な事件が多いです。 ヤバイ人がうようよいるみたいに感じます。 特に、通勤で通過する地帯で多い気がします。 警察や交通機関、地方自治体が連携して、次世代型防犯モデル地区なんてのにトライしてみてはいかがでしょうか。 対象…

刺青・秘密 谷崎潤一郎 30年物

出張する時は、いつも何冊か本を持って行く。 この本は、松江の道後温泉に宿をとった日の、夕方に読み始めた。 まだ早い、他に人のいない大浴場でのんびりと湯に浸かり、早めの夕食にビールと日本酒をつけて、いい気分になった。 それから、この本を読み始め…

魔人バンダー 薄暗い画面の記憶

まだ、実家にいた頃。 家族はテレビを観ながら夕食をとる習慣があった。 祖父が夕食までテレビの前で晩酌をしていた。 祖母が用意した簡単なつまみを食べながら、一升瓶から注いだ焼酎をゆっくりと飲んでいた。 退職してからの習慣だった。 祖父のその姿を見…

モルグ街の殺人事件 ポー 30年物

コナンドイル、エラリークイーン、ディクスンカー(カーターディクスン)、ヴァンダイン、F.W.クロフツ、ハリイケメルマン、カストンルルー。 彼らに先だつ、ポーである。 今から30年程前、島田荘司さんや綾辻行人さん、法月綸太郎さんたちが活躍していた。…

易の第一歩は陰と陽

この記事は暖淡堂の別のブログ「易の言葉で穏やかに暮らす」に移転しました。約2秒後に新記事へ移動します。移動しない場合はココをクリックしてください。 // 現在のurl var href = window.location.href; // 記事ページのurl正規表現 var re = new RegExp(…

歩いて多摩川を渡りました 秋の日のお散歩

今日は天気が良かったですね。 午前中に家を出て、嫁さんと二人で夕方まで歩いていました。 稲城市の方から府中市側に多摩川を渡って、競馬場の周囲を歩いてから戻ってきました。 今日の歩数は16,300歩。明日は心地よい筋肉痛を味わえそうです。 今日の歩数 …

バイトくん⑦ バイトくん純情す いしいひさいち 12年物

タイに住んでいた頃、日本に一時帰国して本屋さんに行くのがとても楽しみだった。 タイでも日本の本は買えたが、値段が2~3倍した。 なので、日本に帰ると、本が安く感じた。ついつい買い過ぎてしまうこともあった。 娘からのリクエストの本を探して、普段…

健康的な出勤のために

混み合った電車での通勤、正直しんどいですね。 これを避けるためには、個人的に時差出勤するというのも手ですが、社会的インフラがこうなっていたらいいな、と思うことがあります。 線路に沿って動く歩道がずっと続いている 屋根付きの動く歩道を線路沿いに…

ハマボウフウの花や風 椎名誠 30年物

就職した頃、他にすることもなく、打ち込むべき仕事もなかったので、本を読んでばかりいた。入社したての会社には、友だちもあまりいなかった。 最初の勤務地は千葉県内の内房にある街だった。 そこでは、椎名さんの小説に出てくる風景の断片を、そのまま見…

易は簡単に始められる

こんにちは、暖淡堂です。 占いを自分でやってみたい方は多いと思います。 暮らしの中で、なにかを判断しないといけないとき、選ばないといけないとき、など。 そんな場面では、自分の考えの参考になるものが欲しくなりますよね。 占いだとどうなるのかが知…

「すぐそこの遠い場所」 クラフト・エヴィング商會 旅をするための書物として

これは、ある意味SF(Speculative Fiction)である。 また別の意味でもSF(Science Fiction)でもある。 アゾットという国の諸々の事物を記載した事典である。 時々、我々の知る国の出来事も比較対象として現れる。 ほとんどそれは揶揄されるためでもあるが。 「…

インフルエンザワクチン接種が今年は難しい?

こんにちは、暖淡堂です。 コロナの感染が収まって来ているかな、という感じですね。 世の中の経済活動もゆっくりと再開されつつあって。 でも、まだ次の大波が予想されていて、心が落ち着きません。 おまけに、今シーズン、インフルエンザは「大きな流行を…

虚其欲、神將入舎。掃除不潔、神乃留處。春秋時代から伝わる心術の歴史 第10回 

こんにちは、暖淡堂です。 前回は、道はすぐ近くにあるのに、それを自分のものにするのはとても難しいという内容の文を読みました。 前回の内容は以下になります。 dantandho.hatenadiary.com 今回は、自分のものにするのが難しい道(神と重なります)を、そ…

ねにもつタイプ 岸本佐知子 11年物

この本は、11年前、バンコクの伊勢丹にあった紀伊国屋書店で購入した。 ちょうどその頃、タクシン派と反タクシン派との衝突があって、赤Tシャツと黄Tシャツのチームに分かれて、それぞれ夜毎に大宴会のようなことをしていた。 バンコク市街地はところどころ…

道不遠、而難極也。與人竝處、而難得也。春秋時代から伝わる心術の歴史 第9回 【管子四篇】

こんにちは、暖淡堂です。 前回は、指導者は人々と一緒になって騒ぐな、一歩退いて世の中の動きを見よ、という意味の文章を読みました。 前回の内容は以下になります。 dantandho.hatenadiary.com 今回は、そんな指導者が理想とする「道」の在り方を述べた文…

海浜棒球始末記 椎名誠 17年物

今年の夏休みに、家族で三浦半島の先端にある城ケ島に遊びに行った。 とても暑い日で、海の水に触れたかったので、城ケ島公園の岩場に下りた。 そこで硬質の発泡スチロール製と思われる穴あきの球を拾った。 これはまさしく、椎名さんの「海浜棒球始末記」に…

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