古典作品の著作権保護期間のおさらいです。
タイトルにある二作品の保護期間はそれぞれいつまででしょうか。
小説作品の著作権の発生は作品が創作された時点ですが、保護期間が終了する時点を決めるのは作者(著作権者)が亡くなった翌年の1月1日からの年数になります。
保護期間終了までの年数は適用される法律の施行年によって変わりますが、2018年12月30日に効力が生じている法律では70年、それ以前では50年です。
これらの前提で、タイトルにある二作品(いずれも暖淡堂主人の愛読書です)の著作権保護期間を考えてみましょう。
人間失格:太宰治
この作品が完成して発表されたのが1948年。戦後のことですね。また、太宰治は同じ年に自殺しています。なので亡くなった年も1948年です。
著作権の保護期間の終了までの年数はこの翌年1949年から数え始めます。1949年1月1日から50年経った1998年末で著作権保護期間期間は終了。
そのため、現時点で太宰治の「人間失格」は著作権フリー(パブリックドメイン)の作品になっています。
2018年12月に現在の法律(保護期間70年)になっていますが、この法律施行前に著作権保護期間は終了しています。
遡って保護期間を延長するということはありません。
太宰治の作品は文庫などで比較的安価に入手できますね。
また青空文庫にも収録されています。
これらは著作権料などの必要がないことによるものです。
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暢気眼鏡:尾崎一雄
作品の発表は1933年。今から90年近く前の作品です。これの著作権保護期間はいつまででしょうか。
尾崎一雄が亡くなったのは1983年。比較的最近のことです。この頃に効力を持っていた法律では1984年1月1日から50年が保護期間なので、2033年末までになります。
ただ、この保護期間内に法律の改正があり、保護期間が70年に伸びています。
その結果、保護期間は2053年末になっています。
作品の発表から100年以上も著作権が保護されることになっていますね。
尾崎一雄の作品は、現時点では青空文庫には収録されていません。
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著作権保護期間について注意するポイント
小説など個人が創作したものの著作権保護が終了するまでの期間は、作品の発表年からではなく、著作者が亡くなってから数え始めます。
なので、著者が亡くなった年によっては、古い作品でも、上の「暢気眼鏡」のように著作権が生きているものがあります。
気をつけないといけないですね。
今回の記事は以下のサイトを参考にしました。
著作権の保護期間が終わっているものはパブリックドメインのものとして、自由に利用することができます。
著作物の利用を法的に認めていることになります。
文化発展のために有意義に利用したいものですね。
またお立ち寄りください。
どうぞご贔屓に。
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