平家物語は読み物であると同時に、琵琶法師の語るものでもあります。
読み物の平家物語は、作者(諸説あります)は亡くなって数百年経っています。
一方で、現在でも琵琶法師として活躍されている方々はいて、平家物語も演目になっています。
そして舞台などで平家物語を語っています。
では、この語られた平家物語は、法的な保護の対象になるのでしょうか。
著作権法では、実演家の権利に関して特別に章(第四章 著作隣接権)を設けて、その中で規定しています。
語られた平家物語は、実演家の人格権と著作隣接権によって、以下が保護されます。
同一性保持権
実演家の名誉や声望を損なうような改変は禁止されます。映像の顔の部分を他人と入れ替えたり、音声を他人の声で吹き替えしたりすることは同一性保持権の侵害になります。
録音権、録画権
実演を録音したり録画したりすることは実演家のみができることになります。他人が録音、録画する際は、実演家の許諾を受けないといけません。ただし、私的使用の場合は例外的に侵害行為とは見なされません。
放送権、送信可能化権
実演をテレビなどで放送したり、インターネットのホームページなどに動画をアップロードするのは実演家のみができます。
貸与権
実演された音声をレコードや録音テープ、CD、その他の媒体に記録したものをレンタル業者などが扱う場合は、実演家に対して相当の額の報酬を支払う必要があります。
(追記)映画など、実演家の許諾を得て作成されたものの複製については、実演家の権利を侵害したことにはなりません。
ちなみに著作隣接権で権利が規定されているのは、実演家、レコード製作者、放送事業者、有線放送事業者です。
これらの権利は、著作権者の権利に影響を及ぼしません。
実演家は実際に演じたものに対して権利を有しますが、それの元になった著作物に対する権利を有するということではありません。
古典作品の朗読は著作物? 琵琶法師が語る平家物語は?
以下の平家物語は、原文に忠実な現代訳ですが、読みやすく、とても面白い作品になっています。平家物語に関心はあっても、敷居を高く感じている方にはお薦めです。
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