参議篁は「篁物語」のモデルになった人。
残した歌に基づき、恋愛物語風に書かれているものです。
篁物語は以下の書籍に収録されています。
今回は参議篁について紹介します。
参議篁とは
遣唐副使に選ばれるほどの優れた学者だったようです。しかし渡唐の試みに二度失敗。三度目、唐に向けて出発しようとした時、大使の藤原常嗣が、篁が乗る予定だった船と自分の船とを取り替えてしまいました。藤原常嗣の船に破損部分があったためのようです。
それを知った篁は、病と偽り、取り替えられた船への乗船を拒否。破損した船で渡唐が果たせる訳もありません。また西道謠という風刺の詩を詠みます。その内容が嵯峨天皇の逆鱗に触れ、隠岐島に流されてしまいます。
百人一首に収められた歌は、遠島になる時に詠んだものです。
時代背景
唐から最澄や空海らが帰国し、それぞれ活動しています。空海は真言宗の開祖となり金剛峯寺を建立、布教活動を活発化させている時代です。
中国大陸の唐は、8世紀中頃に起こった安史の乱以後の混乱が収まりきらず、国政が安定しませんでした。唐単独では安定して国を維持できず、国境付近では近隣諸国による侵犯が繰り返される状況になっていました。
百人一首の歌
歌 わたのはら八十島(やそしま)かけて漕ぎ出でぬと人には告げよ海人の釣り舟
歌の意味:海原に浮かぶ多くの島々に向けて船を漕ぎ出して行ったと、人々に告げておくれ、釣り舟たちよ。
参議篁(さんぎたかむら) 清廉潔白な、矜持の人
引き続きどうぞご贔屓に。
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