安心感の研究 by 暖淡堂

穏やかに日々を送るための試みの記録

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「もろともに あはれと思へ 山桜」 前大僧正行尊 武士の勢力が拡大する時代を修験者として過ごした

百人一首第66番目の歌の作者は前大僧正行尊さきのだいそうじょうぎょうそんです。

天台宗の僧侶であり、歌人でもありました。

 

今回は前大僧正行尊について紹介します。

 

前大僧正行尊とは

生年1055年、没年1135年。

平安時代後期の人です。

三条天皇の皇子敦明の孫に当たります。

 

園城寺三井寺)の明尊の下で出家し、園城寺長吏を経て天台座主となりました。

山伏としての修行を重ねて、修験者としても知られていたようです。

百人一首に選ばれている歌は山岳修行中に出会った風景を詠んだもの。

深い山の奥にひっそりと咲いていた桜を、我が身と引き比べて歌にしたものでしょう。

 

時代背景

次第に武家の二大勢力の台頭が目立ってきます。

1028年に起こった平忠常の乱を平定した源頼信が関東地方で勢いを伸ばします。

源氏が関東の雄として力をつけるきっかけとなります。

この1028年は藤原道長の没した年の翌年になります。

なんだか象徴的なものを感じます。

 

その後、1051年に始まる前九年の役、1083年に始まる後三年の役を経て、源氏の勢力は拡大を続けます。

後三年の役の中心となった源義家に対し、庇護を求める地方豪族が増え、多くの荘園を寄進しました。

次第に源氏が武士の棟梁となっていった時代でした。

 

今回紹介した前大僧正行尊は、このような武家の台頭を同時代の出来事として知っていたでしょう。

急激に変わりつつある世の中の出来事を、山岳修行をしながら見ていたのかもしれません。

その心の中には、どのような思いがあったことでしょうか。

 

百人一首の歌

歌:もろともに あはれと思へ 山桜 花より外に 知る人もなし

歌の意味:私がお前を愛しく思うように、お前も私を思っておくれ、山桜よ。花の他には私のことを知っているものなどないのだから

 

 

「もろともに あはれと思へ 山桜」 前大僧正行尊

武士の勢力が拡大する時代を修験者として過ごした

 

またお立ち寄りください。

どうぞご贔屓に。

 

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