駅までのわずかな距離を…
駅までのわずかな距離を
歩ききることができない朝
僕を押しのけ
追い越していった人たちの顔が
今、僕を置き去りにした電車の窓を
稠密に埋めている
埃っぽい灰色の街に立ち尽くす僕は
もし僕のこの身体を動かしてくれるのであれば
冷たい雪混じりの雨に打たれてさえ
感謝の涙を流すことだろう
【現代詩】「駅までのわずかな距離を…」
身体における心の遅延のイメージ
現代詩の試み
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