安心感の研究 by 暖淡堂

穏やかに日々を送るための試みの記録

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【現代詩】「巡 回」 眠らない湿った金属の機械のイメージ 現代詩の試み

巡 回

 

 

  

夜の工場では眠れない

どれほど多く

湿った物影があっても

どれもが大きすぎ

間隙を

すぐに生温かい

獣の息が満たすので

 

しかし眠れない夜

迷い込むのは

遠い工場

なつかしく

影が揺れ

スチームが

雲のように流れ

地面には

大きな穴がいくつも

あいていて

 

そのどれかに

僕のなかの

僕ではなかったものを

ひねりだし

軽くなった身体で

高い煙突から見下ろしていて

 

工場は

いつも急かされる

灰色の道の先

海に突き当たるところ

昼間はトラックが

腹を揺らして走り込み

排泄物の山を築く、が

夜は静かで

小さな虫の声

 

堤防で耳をすますと

ほら

ここなのだ

と、ささやく声も聞こえて

 

朝、までの

迷い  

 

 

 

 

 

 

 

【現代詩】「巡 回」

眠らない湿った金属の機械のイメージ

現代詩の試み

 

またお立ち寄りください。

どうぞご贔屓に。

 

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