百人一首第55番目の歌の作者は大納言公任。
漢詩、和歌、管弦のいずれにも才能を示し、その上有職故実にも通じていたようです。
今回は大納言公任について紹介します。
大納言公任とは
生年が966年、没年は1041年です。
長寿の人だったようですね。
この人も藤原北家につらなる一人。
最終官位は正二位・権大納言。
権勢の中心にいた藤原道長に近づくことで得た高位だったのかもしれません。
この百人一首に選ばれている歌は、藤原道長とともに999年9月に大覚寺滝殿を散策した時に作られたもの。
紅葉狩りでしょうか。
嵯峨天皇の名声は今も変わらずに流れ、聞こえてくる、と歌っています。
それは、この散策の主催者だった藤原道長に向けて歌われたものだったかもしれません。
藤原道長ら北家の名声は、後代までも讃えられるでしょう。
そう、大納言(藤原)公任は歌っているようです。
時代背景
藤原道長は1022年、法成寺金堂を建立します。
藤原道長の権勢の絶頂期に建てられたもので、非常に豪華・壮大なものだったようです。
残念ながら現在は残っていないようです。
下記ニュースは2022年12月2日付のもの。
マンションの建設工事中に見つかった礎石が、法成寺の建物に使われたものではないかと考えられるという内容です。
京都は、現代でも歴史の中にあるところなのだなあ、って感じさせるニュースですね。
百人一首の歌
歌:滝の音は 絶えて久しく なりぬれど 名こそ流れて なほ聞こえけれ
歌の意味:滝の音は聞こえなくなってからもうずいぶん経つが、その名声は今でも世間を流れて聞こえてくることよ。
「滝の音は 絶えて久しく なりぬれど」 大納言公任 漢詩、和歌、管弦に優れていた才人
藤原公任という人は966年頃の疫病を生き残っていますね。
そのせいでしょうか、長寿の人でもありました。
またお立ち寄りください。
どうぞご贔屓に。
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