よく晴れた朝に
つるつるした 秋の 青い 空
切り出された 先端で
いびつな円が
身をよじっている
待ちわびた 秋なのに
もう 夏を 思い出している
肌の下が さわさわと ざわめいている
小さな冬の塊 家の陰で 震える
それを 身体に抱えて 凍える
よく晴れた 朝に
波の頭を 一つ 乗り越える
安定軌道をふと飛び越えた 円 が
滑り落ちる
不愉快な面を 逃れた円は 苦しく笑い
くるくると
するすると 螺旋を描き
加速し 地面に 突き刺さる
と 冷たい風
命を断った 彼の言葉に 震えたのは
ここ に 溜まった
小さな 水銀の 滴だけ
ほら 震えている
きぃん と 響いている
【現代詩】「よく晴れた朝に」
次の季節は常にすでにすぐそばにきているイメージ
現代詩の試み
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