源氏物語の成立時期
「源氏物語」は1001年頃に執筆が開始され、1010年頃完成したと考えられています。
11世紀の初め頃、平安時代ですね。
藤原北家の権勢が絶頂に至ろうとしていた時期です。
藤原道長が摂政になるのが1016年のこと。
当時の文化にも影響力を示していたかもしれません。
紫式部について
生没年不詳、本名もわかりません。
一説では970年頃に生まれ、1019年頃に亡くなったとされています。
藤原宣孝の死後、上東門院彰子に仕えた人でした。
この時に「源氏物語」を執筆したと考えられています。
この「源氏物語」と紫式部に現行の著作権法を当てはめるとどうなるか
「源氏物語」の著作物としての認定
文学の表現であって、高い創作性が認められますので、著作権法で保護される「著作物」と考えてよいと思います。
紫式部の著作者としての認定
「源氏物語」を創作したのが紫式部であるということを、当時の人たちが認めていたことは疑いのないところ。その意味で紫式部は「源氏物語」の著作者といえます。
著作権の保護期間
「源氏物語」は、完成した部分から順に公表されていたと思われます。最終的に全編が成立したのが1010年だとすると、公表の時点を起点とする保護期間は1011年から70年。
また紫式部は本名ではありませんが、著名な通り名でもあり、誰のことかは疑いのないところだったと思われます。であれば紫式部の死亡の翌年を起点とする保護期間は、一説にある死亡年(1019年)の翌年から70年。
いずれにしても、12世紀を待たずに保護期間は終了しています。
二次的著作物の著作権
「源氏物語」は著作物、紫式部は著作者です。ただしその著作権の保護期間はずいぶん昔に終了しています。なので、この「源氏物語」はフリードメインの作品。作品自体は著作権フリーで使用できます。
一方で、「源氏物語」に依拠した翻案や編集物は二次的著作物として、その権利が保護されています。利用にあたっては注意が必要になりますね。
「源氏物語」の優れた現代訳や、これに触発されて創作された小説、演劇や映画の脚本などがたくさんあります。
「源氏物語」が著作権フリーのものになっているということは、「源氏物語」をさらなる文化の発展に自由に活かせているということ。著作権保護期間が法律で定められているのは、このような意味でもあります。
「源氏物語」を例にしました。
他の古い作品でも同様です。
大体江戸時代の作品であればほぼ著作権フリーです。
明治や大正、昭和の作家や作品に関しては、作家の生没年を確認する必要がありますね。
またお立ち寄りください。
どうぞご贔屓に。
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