安心感の研究 by 暖淡堂

穏やかに日々を送るための試みの記録

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「陰摩羅鬼の瑕」 京極夏彦 苦悩する探偵、狼狽える作家、笑う退職刑事

陰摩羅鬼の瑕,京極夏彦



 

こんにちは、暖淡堂です。

極私的京極祭、北海道帰省中も続いていました

帰省前に読み始めて、帰省後に読了。

ボリュームがあるので、おそらく帰省期間中には読み終わらないだろうなと思って、本はこれ一冊だけ持って行きました。

これ一冊だけでも、しっかりと重たいのですが。

 

陰摩羅鬼の瑕」は2003年8月8日に第一刷発行。

この作品についても、内容はすっかり忘れていました。

印象だけが残っている感じで。

 

で、読んでいて、結構最初の方で、全体の構成を思い出してしまいました。

細かな部分は全部忘れているのですが。

構成を思い出した後は、探偵榎木津にどのように事件を解決させるか、小説家関口にどのように説明させるか、そして退職刑事伊庭の憑物をどのように落とすか、その辺りに関心が移りました。

 

ちなみに伊庭刑事は、下記の記事で紹介した作品の終わりの方に登場します。

 

 

dantandho.hatenadiary.com

 

 

陰摩羅鬼の瑕」のミソの部分は、「世の中の常識」かと思います。

その辺りを京極さんがどのように料理するか、それがこの本を読む際の面白さですね。

 

そして、やはりこの作品も、読後感がとても好いです。

 

最後の部分で、同じ事件の経験を共有した関口と伊庭が、言葉を交わす場面があります。

伊庭の自宅には、木場刑事も来ています。

 

 立ち話もなんだからお上がりなさいと云うと、関口はこれから妻と買い物に行くのですと云った。表で待たせていますのでと云って、関口は不器用に礼をして去った。木場はその様子を笑い乍ら見て、じゃあと手を上げ、やはり裏口から帰って行った。

 その後を追うように、雲雀が飛んで行った。

 夏がまた終わるなと、

 私達はそう思った。

講談社ノベルズ版「陰摩羅鬼の瑕京極夏彦、p749

 

最後の「私達」と書かれているところで、ああ、そうだよな、と僕は思ったわけで。

 

 

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dantandho

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