安心感の研究 by 暖淡堂

穏やかに日々を送るための試みの記録

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【現代詩】「港と駅のある街で 4」 吹雪の最中に聞こえる泣き声のこと 現代詩の試み

 

港と駅のある街で 

 

雪が重く練りこまれた空間の底を揺するように

遠い汽笛が微かに響く

 

不意の風が

雪の落下する軌跡を崩す

 

灯りを消した駅の隅の暗がりで

何かが泣き続けている

 

また、汽笛が聞こえる

と、暗がりで立ち上がるのは

 

小さな子供だ

そして

 

雪の降りしきる外を見つめた後

また、泣きながら

 

隅の暗がりに溶け込むのだ

  

*****

 

うなる風の悪戯、ではなく、聞こえてしまうもの。

 

 

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dantandho

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