安心感の研究 by 暖淡堂

穏やかに日々を送るための試みの記録

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【現代詩】「黒 点」 虚空に浮かぶ黒ずみのイメージ 現代詩の試み

黒 点

 

垂直の 夜の平面が

長い影を引きずりながら 

通り過ぎた

露点計 草の葉に 痕跡

境界線で 湿度が 振り落とされる

 

鴉は どこにいるのだ

鳴き声が 聞こえない

夜の影が静かに去ると

いつも どこかで 忍び笑う鴉は

どこにいるのか 朝なのか

本当に 目覚めているのだろうか

始めたら どこかへ 行けるのだろうか

 

企まれた 表面

企みに満ちた 表面

そこが平らだとわかるのは

そこには いないからだ

時間は 流れない 

その上/下の

  なにか

の群が ずれ続けるのだ

だから 鴉は動かない

流れるのは 重畳する いくつもの平面

 

鴉は横断する

黒い 無限大の質量をもつ 点となって 落下する

通過する面を 気紛れにめくり

苦笑とともに 一声 鳴くのだ

 

鴉は どこにいる 

どこで 落ちている

この頭の上に 落ちてくるのは いつだ

 

あざやかに 裏返してくれ

 

 

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【現代詩】「黒 点」 虚空に浮かぶ黒ずみのイメージ

現代詩の試み

 

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どうぞご贔屓に。

 

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