月 蝕
月を喰う虫
とても小さく
古代の硬い殻に覆われた
魚に似ている
でも 誰も知らない
それは いつも 過去
ぬるい夜の眠りに 浸った夜
ガラスに映る月を
頭の殻と一体の尖った歯で
がりがりとかじり
石英の きらきら光る
大量の糞を残す
平面に映された月
でも 月
絵画の 写真の 網膜の
思い出の
なかったんだ
微かな物音に目を覚ますと
丸い穴が開いていて
不安定な時間が
覗く
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【現代詩】「月 蝕」
「月 蝕」 なかったものの思い出のイメージ
現代詩の試み
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