こんにちは、暖淡堂です。
京極夏彦さんの本と北方謙三さんの本を、この夏は交互に読んでいます。
正直、京極さんの本の順番のときは、手首の筋力トレーニングにもなります。
で、今回紹介するのは以下の本。
「狂骨の夢」です。
物語の舞台は、三浦半島、房総の九十九里浜、信州、それから北陸、横浜など。
さまざまな登場人物が「骨」を中心にして蠢き続けます。
そして、メインの話の流れに斜めから「南朝」の係累の野望、古代出雲や、邪教とされた宗派の信徒たちの影などが差し込んできて、まさにめくるめく様相を呈します。
混乱に混乱を重ねた末に、京極堂が憑き物落としをそれぞれの登場人物に対して行っていきます。
その過程で明らかになる「狂骨の夢」の真相。
何度も現れる「頭蓋骨」とはなんだったのか。
この作品には、「本格ミステリー」としての要素も多分に盛り込まれています。
詳細の説明は控えたいと思いますが、「本格ミステリー」読みの人であれば、あ、これはもしかして、と思う部分がいくつかあります。
その部分に注目して読むのもよいかもしれません。
長い読書の果てに得られるカタルシスは、十分満足できるものです。
この本も、宗教や歴史に関する知識が盛り込まれています。
若い方達にも読んでもらいないなあと思います。
時代設定は戦後間もなくの頃なので、いつ読んでも「時代遅れ」感は問題になりません。
すでに、結構昔の話なので。
「本格ミステリー」的なトリックがあるのですが、僕はすっかり忘れていました。
還暦間近の素晴らしいことの一つがまた起きていました。
またお立ち寄りください。
どうぞご贔屓に。