こんにちは、暖淡堂です。
「塗仏の宴 宴の始末」
読み終えました。
京極夏彦さんの作品です。
講談社ノベルズで、1998年9月20日に第一刷発行となっています。
「塗仏の宴 宴の支度」とほぼ同じサイズ。
ほぼ同じ重量感です。
このくらいの厚みがあると、護身用にも使えるかもしれません。
使い方によっては凶器にもできそうです。
枕であれば、すぐそのまま使えます。
「宴の支度」で準備されたもの以上の展開があります。
まったく別の出来事なのに、なぜかつながっているように思える、そのつながりの理由が明らかにされます。
また、過去の事件も関係しているように思えてくる。
それを理解するためのキーワードが「家族」と「京極堂自身」。
この巻の後半では、「京極堂一派」が事件の中心を目掛けて進軍します。
無敵のその姿に、ワクワクします。
そして、最後に、事件の背後にいた人物と対峙し、一連の出来事を解体します。
「僕はね堂島さん、人が滅ぼうとするなら一緒に滅びますよ。止める気はない。それも天の意志でしょうからね。止めたって騒いだって滅びるものは滅びるんです。しかし残る時は残るでしょう。僕はね、堂島さん。天の意志には従いますよ。でもーーあんたの意志に従うつもりはない」(「塗仏の宴 宴の始末」講談社ノベルズ、p629)
ここに、中禅寺秋彦の諦観のようにも見え、強固な意志のようにも思えるものの表白があります。
一連の物語の、一旦の結末が、この作品でつけられたように感じます。
極私的「京極祭」は継続中です。
またお立ち寄りください。
どうぞご贔屓に。