発 熱
それが動き始めた時のことを
もう誰も覚えていない
それが動いていることさえ
もう誰も知らない
緻密に重なった
歯車と 腕と 細かな螺子と
その中心で
静かに熱を吐いている
水晶の響きに
小さな螺子が震える
とても滑らかに 触手を延ばす
複雑な器官 精密な機械
いつもその外側にあり
熱を送り続ける
黒体
発熱体
それはじっと
すべての器官から 機械から 切り離され
落ちて/ずれて いく時を
待っている
それを失って
機械は 速やかに 停止のための
変化を始める
その変化のみが
法則となる
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【現代詩】「黒 点」 虚空に浮かぶ黒ずみのイメージ
現代詩の試み
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