漣 碑
あの日 午後の明るい湖面に浮かんでいた
金色の 女の像を 崩すことを想像した
手に重く 歯に硬く 沈黙した古代の機械
なんども なんども 繰り返し 身をそらして
湖は 界面を 泡立たせる
ここは、 おれは、 どうしてこんな、 なぜあれが、 おれのほんとうは、 ほんとうのおれは、 こうふくはどこだ、 ふこうだ、 おれはふこうだ
漣のうめきを その重さと硬さで じっと抑えつけている
一つひとつの漣は すぐに消える が 次からつぎと
だから 僕は
あの日 午後の明るい湖面に浮かんでいた
金色の 女の像を 崩すことを想像した
息苦しかったのだ
平面を かえしてほしかったのだ
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【現代詩】「漣 碑」 田沢湖の思い出として
現代詩の試み
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