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六十四卦のうち巽卦を上に置くものを紹介します。
今回は「風水渙」です。
上卦が巽(風)、下卦は坎(水)。
水面を風が吹き渡るイメージでしょうか。
先に紹介した六十四卦表をご参照ください。
易経にある風水渙の卦辞は以下のように書かれています。
風水渙
渙。亨。王假有廟。利渉大川。利貞。
渙は、亨る。王有廟に假(いた)る。大川を渉るに利あり。貞しきに利あり。
風が水面を吹き渡ると、漣が立って水が散ります。
王は祖先を祀る廟で、霊たちを集め、それによって人心がまとまるようにします。
廟で祖先を祀るというのは、王だけができることですね。
しかし、この場合も正しい心で行わないといけません。
この卦の形、巽は木のイメージでもあります。
木が水の上に浮いている。舟のことですね。
この舟が水の上を渡ることができる。
大きな川でも渡り切ることができます。
遠くに出かけたり、新たな事業を始めたりするのに良い時期かもしれません。
この卦に対して、新井白蛾はどのようにいっているでしょうか。
風水渙
「順風帆を驚かす」の象
「萍水(うきくさ)相逢う」の意
この卦は、ものの散り解ける意味があり、
よくないことも身を離れるという吉兆をあらわす、
そうではあるが、散乱の意味もあって損失もあるだろう。
遠くと行き来すること、
あるいは遠い他国と約束を取り結ぶことなど、
皆障害はない。
横合いから思いもよらない災難や損失がある、
また世話苦労事もあるだろう、
よくよく慎むべし。
住むところに苦労あり、
宿替えなどはよい。
心底は安心できないという意味もある。
待ち人は来ないだろう。
婚姻は成立する。
妊娠お産、臨産のとき占ってこの卦を得たら平穏。
病気には大抵凶ではあるが、
病人の新たなものか久しいものかによる。
願望は遅く叶う
易学小筌から
水面を見ている感じですね。
浮草が風に吹かれて集まったりしている。
あるいは、浮かんでいる芥が吹き散らされている。
良いことも悪いことも、風が吹いて散らされるということ。
良くないことで苦しんでいる人には吉兆です。
苦しんでいた物事がどこかへ吹き飛ばされていきます。
一方で、良いものを手元にたくさん抱えていた人は用心。
それらが飛んでいってしまうかもしれません。
まあ、大体は良い卦ですね。
色々と溜まって澱んでいるところに、爽やかな風が吹くので、身軽になれる好機かもしれません。
巽為風 六十四卦 易経の卦辞と新井白蛾「易学小筌」
順風の時こそ、用心を怠ることなく過ごしたいものです。
またお立ち寄りください。
引き続き、どうぞご贔屓に。
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