安心感の研究 by 暖淡堂

穏やかに日々を送るための試みの記録

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「難波江の 芦のかりねの ひとよゆゑ」 皇嘉門院別当 難波江の一夜の恋に身を尽くし

百人一首第88番目の歌の作者は皇嘉門院別当こうかもんいんのべっとうです。

皇嘉門院聖子せいしに仕えた人でした。

 

今回は皇嘉門院別当について紹介します。

 

皇嘉門院別当とは

生没年は不詳。

藤原忠通の娘で崇徳天皇の皇后であった皇嘉門院聖子に支えていました。

保元の乱では崇徳天皇藤原忠通が対立。

皇嘉門院聖子はその板挟みとなり苦悩したことでしょう。

乱の後に出家します。

皇嘉門院別当も、共に出家したと考えられています。

 

百人一首に選ばれている歌は、掛詞、縁語が多用されています。

「難波江の芦」は「かりね」の序詞。

「かりね」は「刈り根」ですが、「仮寝(仮初の共寝)」。

「ひとよ」は「一節」と「一夜」をかけています。

「みをつくし」は「澪標」と「身を尽くし(身体が滅びるまで)」。

「わたる」は「水面を渡る」と「一生続く」の両方の意味がありますね。

一首全体が輻輳するイメージに満たされた、技巧的な作品になっています。

 

時代背景

この時代、どうしても保元の乱が関係してきますね。

岩波文庫の「保元物語」、比較的読みやすいかと思います。

漢字にフリガナがつけられています。

旧字体ですが。

 

今、手元にあるものをチラチラと開いて呼んでみたのですが、冒頭、国が乱れる理由が書かれています。

「政道理にあたる時は、風雨時にしたがて(したがって)国家豊穣なり」

理に則った政治が行われているときは、季節ごとに相応しい気候がもたらされ、国家は実りが多いものだ。

源平合戦の前夜の時期にも、今読んで納得できることが書かれています。

歴史から学べるものは、たくさんありますね。

 

 

百人一首の歌

歌:難波江の 芦のかりねの ひとよゆゑ みをつくしてや 恋ひわたるべき

歌の意味:難波江の芦(あし)の刈り根の一節(ひとよ)のような一夜の恋のために、あの澪標(みおつくし)のように一生身を尽くして恋をしつづけないといけないのでしょうか。

 

 

「難波江の 芦のかりねの ひとよゆゑ」 皇嘉門院別当 難波江の一夜の恋に身を尽くし

 

またお立ち寄りください。

どうぞご贔屓に。

 

 

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