安心感の研究 by 暖淡堂

穏やかに日々を送るための試みの記録

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北海道の春、小学校入学直前の頃のこと 【沙河21】

北海道の春

  

いよいよ小学校入学時期が迫って来ました。

家の中でヌクヌクと過ごす最後の冬です。

雪の多い冬だったように記憶しています。

いつも一人きりで雪の中で遊んでいました。

 

その冬も終わり、春じわりと近づいて。

暖かな風が吹く頃になりました。

  

【沙河】昭和四〇年~昭和五〇年 (十)②

  

 秋が来て、家の中で遊ぶことが多くなった。私は雑誌や絵本を読み続けた。そんな時、よく家族からどこにいるのかわからなくなるといわれた。とても静かにしていて、時折は気配も消えていたらしい。

 本を読んでいなければ、テレビを観ていた。NHK教育テレビの番組や、他の局の子供向けのアニメーションを観たりしていた。

 そして冬が来た。雪は降り続け、我が家はすっかり埋もれてしまった。

 雪は南西からの風で運ばれてくることが多かった。家の南側の窓は風の侵入を防ぐために透明のビニールシートで覆われていたが、その窓の半ばまでは雪に埋まっていた。

 雪は降り続けたが、三月の下旬になると日照時間が増え、厚く降り積もった雪も次第に減り始めた。時折は暖かい風も吹いた。道路には雪解け水の流れる細い川が出来た。水の下には、黒い土が見えた。

 季節はゆっくりと移り変わり、私の小学校への入学時期も近づいていた。

    

「沙河」(暖淡堂書房)から

 

   

*☺☺☺☺☺*

    

家族の心配をよそに、僕はそれまでと同じように家の中で静かに遊んでいました。

両親や祖母を不安にしていたいくつかのことは、それほど気にしなくてもよかったことがすぐにわかります。

その辺りは次回以降で。

  

北海道の春、小学校入学直前の頃のこと 【沙河21】

 

 

 

 

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