こんにちは、暖淡堂です。
今回から「臨済録」の示衆の部分を少しずつ紹介します。
示衆には晩参(夜に行われた説法)で、臨済と参加者との間で交わされた言葉が記録されています。
臨済の教えの全体像を把握するには、この部分の精読が欠かせません。
一方で、臨済自身は、先人の文字を大切なものとして読み込むことを「黒豆拾い」のような言い方で、切って捨てています。
さて、私たちはどうしたらいいのでしょう。
それもまた、私たちが取り組まなければいけない問いなのでしょうね。
一文を紹介します。
原文:師晚參示衆云
現代語訳:師は晚參の時、衆に対して言った
この部分の大意は、ほぼ言葉通りに理解していいかと思います。
ここで少し注意したいのが「示す」という言葉。
白川静氏の「常用字解」によれば、漢字の「示」は生贄の肉を祭卓の上に載せる動作の形。
「〒」が祭卓の上に肉を載せたところで、「ハ」の部分が両手のようです。
両手で肉を捧げ持っている様子ですね。
このように「示す」というのは、ただ見せるというだけではなく、「捧げる」という意味も持ちます。
この「示衆」の部分は、臨済が、集まった修行僧たちに教えを説くというだけではなく、自らの禅の在り方を「捧げる」という意味も込められているのではないでしょうか。
そういう理解の仕方で読み進めることで、臨済の教えがより理解されるように思います。
この部分の原文と現代語訳は、以下のリンク先の記事をご参照ください。
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