こんにちは、暖淡堂です。
極私的に「京極祭」の真っ最中です。
京極夏彦さんの作品、たくさん出版されているので、興味を持たれている方は多いかと思います。
それでも、なんとなく手を出すのに「ためらっていたり」していたり。
その理由は、おそらく本の厚さ。
それと、表紙の絵の怖さ。
表紙の絵の怖さは、本を買った後、カバーを外してしまうか、さらにカバーをかけてしまうかで、なんとかなります。
しかし、本の厚さはどうにもなりません。
本が厚いと、どうなるか。
手が疲れる。
この部分は、筋トレと理解してもらうのが一番良いかと思います。
また、本が厚いと、文字がたくさん書かれています。
厚さの分だけ、読むのに時間がかかる。
この部分は、どうにもなりません。
ただ、僕が言えるのは、読み進めていくと、もっと厚くてもいい、と思い始める時がきてしまう(肯定的な意味で)ということ。
京極夏彦さんの本は、読み始めは、重たい鉄の輪を回し始めるような感じです。
結構力を入れないと、動きません。
それでも、回り始めると、ちょっと手を離しても回り続けています。
で、力を入れ続けると、どんどんと回って、やがて止めるのが難しいくらいに、それ自体で回転運動をするようになります。
残りのページが少なくなってくると、寂しさも感じたりします。
読み終えた時には、満足感と、軽い脱力感があり、そのどちらもが快感です。
太宰治の「思ひ出」にある卒塔婆のエピソードのように、鉄の輪がカランと逆に回るような時もあります。
ちょっと前に戻って、そこから読み直してみたりしますね。
そのくらい、面白いです。
なので、本のほとんどの部分を、通勤電車の中で読んだりしますが、最後の部分を読む時は、時間を確保して、本に集中できるところで読むようにしています。
京極本はたくさんあるのですが、最初に手に取るのは「姑獲鳥の夏」にされた方がよいかと思います。
この作品に根を持つ伏線が、シリーズの中でところどころに現れます。
それを探しながら読むのも、京極本を手にした時の楽しみでもあります。
今回は触れませんでしたが、又市モノを読まれるのであれば「巷説百物語」から始めるのがお勧めです。
京極本との付き合い方 これから読み始める人へ
京極夏彦さんの本に出会う前は、島田荘司さんの作品を読み続けていました。
島田本の紹介もそのうちしたいと思っています。
またお立ち寄りください。
どうぞご贔屓に。