こんにちは、暖淡堂です。
手首の筋トレを兼ねて、この夏は京極夏彦さんの本を読んでいます。
で、やっと読み終わりました。
「鉄鼠の檻」
1996年1月5日発行となっています。
書店に並べられているのを、すぐに買ったはずです。
で、25年以上経って、この夏に再読。
面白かったです。
この本の基本データを記録してみます。
- 本文ページ数:825 (本文最終ページに印刷されているページ数)
- サイズ:173mm x 108mm x 49mm (コクヨ物差し)
- 本体重さ:630g (キッチンにあった秤)
この本を、通勤時に電車の中で読み続けました。
そのおかげで手首が常に筋肉痛状態。
しっかりと筋トレにもなりました。
ノベルズ版なのでこのサイズ感ですが、文庫本でも侮れない存在感はあります。
コロナ期に筋力の衰えを感じ始めた方には、その意味でもオススメです。
再読して、以下の感想を持ちました。
この作品は「トラベル(旅情)ミステリー」であり、「青春ミステリー」でもあります。
まず、舞台が昭和20年代後半の箱根。
それもお正月明け。
そこに、中禅寺夫妻と関口夫妻が一緒に旅行に出かけます。
宿泊先が、小さいけれど温泉旅館。
設定が「トラベルミステリー」ですね。
僕たちを、日常生活の場から連れ出して、異空間に誘います。
で、そこで、中禅寺、関口、榎木津の三人の活躍が展開される。
この三人、とても仲が良く、お互いに思いやりもあり、危険を顧みずに友人を救ったりもします。
そんな場面がところどころにあり、ほんわかした気持ちになれます。
結局は、この三人はとても仲が良いのです。
展開される事件は、どれも「禅」に関係したもの。
この部分は、ぜひ本文をお読みください。
「臨済録」、「無門関」、「碧眼祿」が書棚に並んでいる暖淡堂は、「ああ、この場面はあの本に書かれているあの部分に関係しているな」などと考えながら、とても楽しく読み進められました。
もちろん、「禅」の知識がなくてもまったく問題ありません。
本文を読むと、理解できるように説明がされています。
で、読後感は、やはりスッキリしています。
僕も中禅寺、関口、榎木津のような友人がいたならなあ、なんて、ぼんやりと考えたりしています。
とても良い、夏の読書になりました。
「禅」の言葉に初めて接したのがこの本だったようです。
なんとなく中野孝次さんの「「閑」のある生き方」を読んだ時が最初かなと思っていたのですが、「鉄鼠の檻」の方が時期的にずっと先でした。
またお立ち寄りください。
どうぞご贔屓に。