こんにちは、暖淡堂です。
極私的「京極祭」、なし崩し的に続いてしまっています。
自宅の書棚に、未読の本がたまってきています。
厚いので、通勤時に読みにくいのが理由の一つではあります。
腕力が衰えているもの、理由の一つ。
読書家として生きていくには、健康管理、体力維持も大切なことですね。
それこそ、「読まずに死ねるか」の気持ちです。
で、この年末年始のお休みの機会に読み切ろうと思って手をつけたのが、「了巷説百物語」。
本文が1149ページあるのですが、個人的に10連休にしたので読み切れるだろうと思い、お休みに入った12月28日(金)から読み始めました。
途中、大晦日と元日は体調不良でほとんど読めなかったので、読み切る前に仕事が始まってしまいました。
で、通勤で持ち歩くのがちょっと辛い感じの本なので、この週末の3連休の楽しみとして残しておいた訳です。
で、それを先ほど読み切ってしまいました。
面白かったです。
シリーズの主要な登場人物が顔を出す以上に、この作品で登場する「中禅寺洲齊」と「稲荷藤兵衛」が面白い。
中禅寺洲齊は、名前からすぐにピンとくる人も多いかと。
凶悪な面相ではないというのが、とても好ましいです。
声も通り、弁が立つのは同じですが、もしかしたら女性ファンが増えるかも知れません。
稲荷藤兵衛は嘘を見破る洞観屋。
この藤兵衛が、時の権力者である老中首座水野忠邦に与する人物に仕事を依頼されるところから、この物語は始まります。
これから読む方の楽しみを奪ってしまうといけないので、中味の紹介は控えます。
それでも、この大作を読み切って、一番印象に残った部分を少しだけ引用しようと思います。
「でもその時、多分輩はお報せには来られねえ」
「何故です。あなたは、何処かに」
「なあに。その頃ァ」
輩も物語になっているでしょうよと、八咫烏ーー否、御行の又市は言った。そして、
御行奉為ーー。
と、唱え、鈴を静かに鳴らして、消えた。