ある雨の日、学校からの帰り道、僕はその橋に差し掛かった。夕方のように暗く、雨は不意に強くなった。雨粒は足元の泥水を高く撥ね上げた。撥ね上げられた水は僕のズボンの裾を濡らした。その水は、僕のズボンの裾をまるでつかもうとするようだった。
足が急に重くなり、僕は歩けなくなった。僕は祖母の話を思い出した。何かが僕の足をつかんで、泣いているようだった。
その時、僕もまた泣いていたのかもしれない。
*
小学校の頃、毎日の通学で灌漑溝に架けられていた橋を渡りました。
上に掲載した写真のマークの辺りにあります。
今の橋は、ちょっと広くなって、頑丈そうです。
僕の子供の頃は、コンクリートでできていましたが、車がすれ違えるほどの幅はありませんでした。
灌漑溝には、稲作に水が必要な時は、たくさんの水が流れていましたね。
そんなときは、橋の欄干に寄りかかって、流れる水を上から眺めていました。
そうすると、水が流れているのではなく、欄干が船のように動いているように思えるときがあって。
そんなことを、時々楽しんでいました。
大雨のときも灌漑溝の水は増えます。
北海道開拓の労働力のこと 豊沼-砂川(十一)
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