界
枯れ落ちた棒杭が
道を埋めて
揺れ
ながら
足をつかむ
掘り返す
発酵して 巨大な花が
白く
煙を流す
熱い夏
なかったはずのものが
振り返る 海辺の 穴 の 目
すり鉢状の 底の魚卵
と 骨
逃げて行く 背中
あの犬はもう埋めてしまったほうがいいだろうただ鳴くだけでなんにも役にたたないたたない(役にたつ犬などいるものか
縁のない
鏡が 割れて
ただ、足元が、緩く揺れて
*
地面を打つ大粒の雨は
穴を穿ち、不定形のものを染み出させる
底に埋まっていたものの姿を
浮かび上がらせる
豪雨の夜
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【現代詩】「界」
路面で揺れる棒杭のざわめきのイメージ 現代詩の試み
私たちはいつも、解きほぐせないものを、向こう側に押し付けている。
それが戻りそうな気配に、敏感で、そしていつも怯えている。
またお立ち寄りください。
どうぞご贔屓に。
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