安心感の研究 by 暖淡堂

穏やかに日々を送るための試みの記録

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「今来むと言ひしばかりに長月の」 素性法師 父に導かれ僧侶となった

百人一首第21番目の歌の作者は素性法師です。

僧正遍昭の子で、父の勧めで出家ししました。

 

今回は素性法師について紹介します。

 

素性法師とは

生没年は不明ですが、9世紀末から10世紀にかけて生きた人です。

清和天皇の時代に左近将監まで昇進したようですが、父の僧正遍昭の勧めで出家しています。

左近将監は禁中の護衛役の現場監督のような立場です。

官位は従六位上でした。

父の僧正遍昭が、その職位を捨てて出家することを勧めたのは、本人の性格を考えてのものだったのでしょうか。

あるいはなんらかの事件が背景にあったのでしょうか。

「大和物語」では素性法師の恋愛のエピソードが書かれていて、情熱的な人のようでもありました。

しかし、出家後の歌の題材としてはむしろ梅や桜を題材としたものの方が多く残されているようです。

この一連の流れから、読み取れるものがあるのかもしれません。

 

時代背景

文学史としては9世紀末頃に「竹取物語」、「伊勢物語」、10世紀初め頃に「古今和歌集」などが成立していました。

政治的には藤原北家が権勢基盤をますます強めていました。

菅原道真太宰府左遷が901年。ちょうど9世紀と10世紀の変わり目の出来事でした。

 

中国大陸では黄巣の乱によって不安定化した唐が907年に滅亡しています。

その後の混乱の中で、契丹国(916年、のちの遼)や高麗(918年)が建国されています。

 

百人一首の歌

歌:今来むと言ひしばかりに長月の有明の月を待ち出でつるかな

歌の意味:今すぐに行くと言っていたので待ち続けたのに、長月の夜がもう明けて有明の月が出てしまいました。

 

「今来むと言ひしばかりに長月の」

素性法師 父に導かれ僧侶となった

 

素性法師は官位を捨てて出家した人でした

その背景にはなんらかの出来事があったのかもしれません。

 

またお立ち寄りください。

どうぞご贔屓に。

 

 

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