安心感の研究 by 暖淡堂

穏やかに日々を送るための試みの記録

*本ブログにはスポンサーによる広告が表示されています

【現代詩】「また一日」 立ち止まることの効用 現代詩の試み

 

また一日

 

ふと、もう歩けなくなるのではないか
そう思った
なら、いっそ
まだ歩けるうちに、立ち止まってみよう

すぐ後ろにいて、僕を追いかけていたはずの人が
思いがけず遠くにいて
別の方角を向いて進んでいた

僕の前にいたはずの人の大きな背中が
バランスの悪い歩行で、大きく揺れていた

遅いと思っていた人は
時々立ち止まり、進む方向を確認していた
僕と目が合い、にっこりして手を振ってくれた

急ぎ足で歩いていると、気づかなかったのだ

僕は、また歩き始めた
疲れ切る前に、立ち止まってみてよかった

また一日

  

*****

 

急足で進むよりも、ゆっくりと歩いている方が、より遠くまで行ける。

そんなふうに、実感を込めて、思えるようになりました。

 

 

f:id:dantandho:20210924172547j:plain

dantandho

にほんブログ村 ポエムブログ 現代詩へ
にほんブログ村

 

PVアクセスランキング にほんブログ村

PVアクセスランキング にほんブログ村