こんにちは、暖淡堂です。
今回は赤川次郎さんの作品を紹介します。
「回想電車」。
短編集です。
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夫が女子高生に暴行した。そんな噂が近所に流されたとき、妻はどう日々を過ごせばいいのか(自転車置場に雨が降る)。ある朝、玄関口に刑事が現れる。夫の口から、勤めを辞めなければいけない理由を聞かされていた妻の取った行動は(妻の眠り)。
深夜の電車に乗る男は、乗り過ごすことを気にしながらも、短い居眠りを繰り返す。目を覚ますたびに、何故か懐かしい人たちに続けて会う。経験したいくつかの場面のその後を知り、男は満ち足りた気分になる。やがてその電車が行きつくのは(回想電車)。
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1996年刊行。
辛い出来事を乗り越えていく主人公や、その家族の姿が描かれていて、読後、とても穏やかな気持ちになれます。
新しい生活を始める一歩手前の時期を過ごしている人にお勧めしたい一冊です。