安心感の研究 by 暖淡堂

穏やかに日々を送るための試みの記録

*本ブログにはスポンサーによる広告が表示されています

【現代詩】「鞄」 手放せたもののイメージ 現代詩の試み

現代詩、詩

 

  

不意に

足が重くなり

乗り込むつもりの

電車に乗り遅れてしまう

 

プラットフォームで

次の電車を待っていると

もう電車は来ないとアナウンスがある

 

あきらめて

立ち去ろうとすると

僕の鞄を持った男が

急ぎ足で階段を上っている

声をかけようとしたが

なぜか口が開かない

 

その鞄には

とても忌まわしいものが

入っているのだ

 

そう教えてあげようとしたが

その男には

僕の声はもう届かないだろう

  

 

*****

 

  

 

f:id:dantandho:20210924172547j:plain

dantandho

にほんブログ村 ポエムブログ 現代詩へ
にほんブログ村

 

PVアクセスランキング にほんブログ村

PVアクセスランキング にほんブログ村