こんにちは、暖淡堂です。
還暦や定年を機会に古典を学び直すのはとても有意義なことだと考えています。
人生経験も十分に積んでいるので、古典を読むときの理解が、若い頃よりもずっと深くなっていることに気づくはず。
改めて古典を読もうと思った場合、では何から読み始めるのがよいでしょうか。
書店で入門書や解説書などがたくさん売られている論語や老子、荘子などの東洋思想の書物をまず手に取るのがよいでしょうか。
それとも翻訳や小説化されている水滸伝や三国演義などから読むのがよいでしょうか。
そのどれから読み始められるのも、十分に楽しめるし、学ぶことも多いかと思います。
暖淡堂の一番のオススメは、歴史書です。
それも太古から元が中華を支配するまでの通史である「十八史略」。
戦国武将たちはなぜ「十八史略」を読んだのか
「十八史略」は日本では古来多くの人に読まれてきました。
戦国武将などの間には普及していたようで、徳川家康が愛読していたことは有名です。
それは、古代からの国々の興亡が詳しく書かれているから。
そこから学ぶことが多かったということ。
戦国時代の終わりに近づいていた頃。
天下統一に向けての自らの戦略に活かせるものがたくさん見つかったのでしょう。
「十八史略」とはどのような書物か
この「十八史略」は、中国の歴史の全体像を把握するだけではなく、中国の人たちが歴史をどのように理解しているのかをザックリと理解するのにもとても有効な書物です。
日本の「古事記」や「日本書紀」に描かれているような、神々の時代も含まれています。
還暦や定年を機会に古典を学び直すにあたって、これをまず手に取ることをお勧めする理由は、中国の古典は、そのどこかで、必ず過去の歴史的な出来事(フィクション風のものも含む)への言及がとても多いからです。
また、それぞれの時代の国の名前や、主要な登場人物についての知識が、古典の書物を読む際にとても役立ちます。
これは、日本の古典を読む際にも、想像以上に必要になります。
「十八史略」に登場する人物
たとえば論語には、所々に「管子」という名前が出てきます。
孔子や弟子たちは「管子」の言動や功績がとても気になっているようなのですが、この「管子」とは誰か、どのような業績を残した人物なのか、については論語の中では説明されません。
「管子」については、「十八史略」の中では説明されていて、古代春秋時代の斉という国の宰相だったことがわかります。
斉の桓公を補佐し、斉の富国強兵策を推し進め、ついには桓公を中原の覇者にまで押し上げた人物でした。
この管子ですが、日本ではあまり知られていませんが、中国では多くの人が知っています。
そんな知識を補うためにもまず「十八史略」を読んでおく意味があります。
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不思議なことに、なぜか本場のはずの中国ではあまり読まれていません。
歴史書のダイジェスト版のように理解されれいるのかもしれません。
よく読まれている司馬遷の「史記」や司馬光の「資治通鑑」とは大違いです。
それでも、我々日本人にとってみれば、中国の歴史が概観できるとても良い書物です。
還暦や定年を機会に古典を改めて学び直そうとする方、まずはこの一冊。
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暖淡堂のブログ「散木の小屋」では「十八史略」原文データ化を進めています。
少しずつ作業を進めています。
進捗は以下のリンクでご覧になれます。
戦国武将たちはなぜ「十八史略」を読んだのか
還暦と定年を機会に古典を学び直すために最適な入り口
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