安心感の研究 by 暖淡堂

穏やかに日々を送るための試みの記録

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【現代詩】「推 進 機」 噛み合わない歯車が発熱し続けるイメージ 現代詩の試み

推 進 機

 

  

機能が麻痺した夜

意図が熱を吐き始めたので底に沈めた

 

緩やかに忍び込み

不意に襲う激しい痛み

引き起こされる動揺と滑落

ほんの少し引き剥がされる残像と

ここ、だと思っている痩せた身体との

わずかの隙間に影に似た粘る液体が流れ込み

逆らいようもなく強く身体を押すので

見下ろしている層間の私達が

騒がしく囁き始めるが

ここ、からずれた

身体はどこか

欠けている

 

         深い底で渦巻く糸に絡め

         取られた動けない機械が

         重く唸るその騒がしい夜

 

流れ込む他人の血

無数の足で肌の裏を走り

絵の中の少年が笛を落とし

人を笑う猫がアスファルトに溶け

咽の奥で飲み込んだ獣の匂う肉が震え

 

(…ああ、機械が、熱を吐く

(…目の奥で、歯車が回る

(…脂が、黒く染みだし

(…遠い響きに、寝床の子供は怯え

(…窓の外で、焦れた老人が、うろつき

(…その、踊る影

(…その、縁の崩れる、穴に

 

落ち、

砂が、流れ込む

ぬるい巣穴の底の、脆い眠り

  

  

 

 

 

【現代詩】「推 進 機」

噛み合わない歯車が発熱し続けるイメージ

現代詩の試み

 

またお立ち寄りください。

どうぞご贔屓に。

 

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