こんにちは、暖淡堂です。
北方謙三さんの本も大好きで、よく読んでいます。
特に歴史物が好きです。
今回紹介するのは「絶海にあらず<上>」です。
上巻のあらすじは以下になります。
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平安時代の京では、藤原北家が次第に強大な権力を握りつつあった。その北家に繋がる藤原純友は、ふとしたきっかけで任官することになる。藤原氏の氏長者、忠平の窮地を救ったのだった。純友は従七位下伊予掾(いよのじょう)として任官、赴任する。
瀬戸内海では水師たちが、京からの指示による内海の通行制限に反発し、海賊行為をしていた。それを、伊予の郡司は抑えきれていなかった。その海賊対策が純友の任務であった。赴任した純友は、土地の越智郡司の支配に反発する人々が住んでいることを知る。
純友は越智郡司との対立を避けながら、出師たちと話し合い、望みを叶えてることで海賊行為をやめさせる。水師たちは、内海を自由に航行できれば海賊行為はしないのだった。しかし、その自由な内海の航行という状況は、京にいる藤原忠平の思う状況ではなかった。
政治の中心にいる藤原忠平は、権力をより強化するための富を欲していた。中国大陸から輸入される唐物の商いで得られる利益を独占し、それを権力の強大化に利用していたのだ。そのために、水師たちが自由に荷を運ぶ状況は好ましくない。
内海の平和を取り戻した純友を、忠平は京に呼ぶ。純友の説得し、藤原北家の一員としてその権力維持に協力することを誓わせるために。しかし、純友は明確な対立を避けながら、自論を展開する。
その心の中では、藤原北家や京の権力の中枢に対する反乱の芽が育っていたのだった。
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ほぼ同じ時期に起こった平将門の乱と併せて承平天慶の乱と呼ばれています。
藤原氏の一族の一人であった藤原純友が、伊予に赴任してから、出師たちを糾合して京に対する反乱を起こすまでのお話になります。
北方謙三さんが描き上げる、とても魅力的な人物、藤原純友の動きから目が離せなくなります。
平安時代中頃から末頃にかけて、平氏、源氏らの武士の階層が力を得ていくきっかけになる出来事でもありました。
この時代背景を理解するためにも、とても参考になる小説です。
北方謙三さんの本も、僕の書棚のそれなりの部分を占めています。
年に最低でも1度は読む本もあるくらいで。
愛読書になっているものもあります。
今年もすでに、数冊手にとっています。
またお立ち寄りください。
どうぞご贔屓に。