孤群/セル
駅は 厚い 人の流れ
いつのまにか
前を歩く人の背中を透かして
自分の進路をみている
と 僕のなかに 後ろを歩く誰かの視線が 紛れこむ
あれは…
そうか…
立ち尽くす人を避けて 流れは分かれ
となりの流れに 飲み込まれる
その手前で
小さな渦が生まれる
その渦に 立ち止まる と 次からつぎと 肩にあたりながら
青黒い視線が 流れ込み とてもまぶしく
そして
空をみていた 中学生の頃 田んぼのずっと先にみえた 山脈越しに
あれは 晴れた 秋の日
ああ しかし あそこに残ることは できなかった こんなに悲しくても
駅は 重畳する流れ 柱の陰に渦を巻き
ほんの数人だが そのなかへ
身を投げている
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【現代詩】「過 飽 和」 転げ落ちる一歩手前のイメージ
現代詩の試み
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