安心感の研究 by 暖淡堂

穏やかに日々を送るための試みの記録

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【現代詩】「異和/虜囚の目」 ここ、をいつも満たしにくる「私」のイメージ 現代詩の試み

 

異和/虜囚の目

 

 

…侵入するものよ…

…食らいつく貪欲な意味達よ…

無数の薄層は匂い豊かに濡れ砂を吐きながら崩れる

緩く波打つ白い肌の表面に凝るかに感じる鉛の短針

微かな接触に不確定の波動は遅延し虫達の群が崩れ

メニスカスに意識を集め音もなく重なりながらずれ

  (…揺れる襞となりその強度の…

  (…滑らかな面に折り重なり…

//侵入する虫達、層を永遠に分かち、その層間に砂を撒く、異和、「底」に棲み

 

打ち寄せる冷たい枯れた草原が

立方体の「ここ/個々」を満たす前に

…息苦しく…

…不意に身をよじる…

…寒気に泡立つ血の駅を走り抜けた…

…「底」の声達…

 

//読むな、囚われの目達よ//

//その弱い肌をなぞるな//

//「私」達は、「底」に投げ返される//

//…縁の溶けた札束などではない…//

 

…肌を…

…その供義のような悲しみで突き刺すな…

…穢す目よ…

…この煮えた油を…

…、、その、目に注ぎ… 、…

…目よ、もう振り返るな、  、 …

…もう、いいだろう…

 

…侵入するものよ…  

 

 

私たちはそれぞれに

とても危うい揺れる壁で仕切られた

立方体の中を満たす

ゼリー状のなにかでしかない

 

 

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【現代詩】「異和/虜囚の目」

ここ、をいつも満たしにくる「私」のイメージ

現代詩の試み

 

いつも同じ「私」から逃れることは可能でしょうか。

ここ、で跳ね続けながら、別のものの階層に滑り落ちてしまうことはないのでしょうか。

 

またお立ち寄りください。

どうぞご贔屓に。

 

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