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六十四卦を乾卦を上に置くものから順にみていきます。
今回は「天沢履」。
卦の形は上卦が乾、下卦が兌。
力強いものに柔らかなものがついて行っているような形の卦です。
先に紹介した六十四卦表をご参照ください。
易経にある天沢履の卦辞は以下のようなものです。
乾/兌
天沢履
履虎尾。不咥人。亨。
虎の尾を履む。人を咥(くら)わず。亨る。
乾はとても力強いもの、龍に喩えられることもあります。
家の中では父の象徴。
一方の兌は弱いもの。
少女などを象徴しています。
卦の形は、強いものを弱いものが追う形。
虎の後をついていく姿ですね。
うっかり尾を履んでしまいそうです。
しかし、虎は喰らいません。
許すのです。
それは、ついていくものが、先に立って進んでいくものの心を和らげるから。
いやいやついていくのではなく、ついていくことを喜んでいるから。
それはおそらく先に立つものが、力だけではなく、徳を示しているから。
この卦を得たときは、困難な状況で戦い続けている人を、精神面で助けてあげるのがよいという読み方ができます。
この卦に対して、新井白蛾はどのようにいっているでしょうか。
天沢履
「尊卑分かれ定まる」の象
「虎の尾を履むがごとし」の意
この卦は礼儀の心あり、また進むという意味がある。
始めは驚くようなことがあるが、後にはそれが喜びとなることをあらわしている。
物事を分け定める意味がある。自分の身分よりも大きな望みごとをしていると知るべし。
人を恋い慕う形がある。
戦い争いごとは慎むべし。
行くものは行きてその目的地に辿り着き、来るものは必ず来て、行くと来るとが必ず応じる。
婚姻は調うが、夫婦仲は良くならない。
病気ははなはだよくないが、また快方に向かうときでもある。
失せものは出てこない。
待っていることには知らせがある。
お産に臨んで占ってこの卦を得たら安産となる、前もって占ってこの卦を得たら、お産に驚きがあるだろう
乾の下に兌。
これは、強いものの後ろを弱いものがついていく形になっています。
懐いているような様子ともいえるかもしれません。
そんな状況では、礼儀を守ってついていけば最後には良いことがある、行くものは行き先に辿り着き、来るものは到着する。
しかし、何か願いごとをしているのであれば、それが自分の分(ぶ)を超えている。
それでは叶いにくいものです。
天沢履 六十四卦 易経の卦辞と新井白蛾「易学小筌」
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一つずつ説明していきます。
引き続き、どうぞご贔屓に。
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