午後、駅で
駅のプラットフォームの
古い木製のベンチに
おばあさんが座っていた
僕の乗る電車が
プラットフォームを離れるとき
おばあさんはのんびりと
おにぎりを食べていた
電車の窓を
早春の陽射しが
暖めていた
*****
さだまさしさんの作品に「空蝉」という曲があります。
老人が駅で、帰ってくるはずの息子を待っている情景が歌われています。
その歌を思い出すたびに、帰らなければ、という思いと、もう間に合わない、という後悔が、心のなかでせめぎ合います。
戻らない時間。
駅には、そんな時間がいくつも、層状になって流れている気がします。
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