安心感の研究 by 暖淡堂

穏やかに日々を送るための試みの記録

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【現代詩】「午後、駅で」 待ち続けてくれているもののイメージ 現代詩の試み

 

午後、駅で

 

駅のプラットフォームの

古い木製のベンチに

おばあさんが座っていた

 

僕の乗る電車が

プラットフォームを離れるとき

おばあさんはのんびりと

おにぎりを食べていた

 

電車の窓を

早春の陽射しが

暖めていた

 

  

*****

 

さだまさしさんの作品に「空蝉」という曲があります。

老人が駅で、帰ってくるはずの息子を待っている情景が歌われています。

その歌を思い出すたびに、帰らなければ、という思いと、もう間に合わない、という後悔が、心のなかでせめぎ合います。

戻らない時間。

駅には、そんな時間がいくつも、層状になって流れている気がします。

 


www.youtube.com

 

 

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