安心感の研究 by 暖淡堂

穏やかに日々を送るための試みの記録

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【現代詩】「石の川原」 ”ここ”を過ぎ去ったもののイメージ 現代詩の試み

 

石の川原

 

国道沿いの無人駅に降り立つ

切符を改札口の金属製の箱に入れ

 

何かに呼び止められるように何度も振り返りながら

国道を渡る

 

その先に、ゆったりと川が流れている

ごつごつした石を踏みながら水に近寄ると

 

やはり何かに呼び止められるような気がする

国道を車が走りすぎて行く

 

それを、じっと見送る

 

車の中の人がこちらを見ていたようだ

その視線が僕を〝ここ〟に搾り落とす

 

風が吹く

川原を風が通り過ぎる

 

僕もまた〝ここ〟を過ぎてゆけばいいのだろう

  

*****

 

風の強い日には、いろいろなことを思い出します。

それも、自然と思い出されるものばかり。

 

悲しい、辛いこともあれば、楽しく、喜びに満ちたものも。

風は、どこから吹いてくるのでしょう。

そして、どこに向かって去っていくのでしょう。

 

今、僕を包み込んだ風は、いつから吹いているのもでしょうね。

その風が運んだものに、あの頃の僕が、ほんの少しだけ含まれているのかもしれません。

 

 

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dantandho

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