石の川原
国道沿いの無人駅に降り立つ
切符を改札口の金属製の箱に入れ
何かに呼び止められるように何度も振り返りながら
国道を渡る
その先に、ゆったりと川が流れている
ごつごつした石を踏みながら水に近寄ると
やはり何かに呼び止められるような気がする
国道を車が走りすぎて行く
それを、じっと見送る
車の中の人がこちらを見ていたようだ
その視線が僕を〝ここ〟に搾り落とす
風が吹く
川原を風が通り過ぎる
僕もまた〝ここ〟を過ぎてゆけばいいのだろう
*****
風の強い日には、いろいろなことを思い出します。
それも、自然と思い出されるものばかり。
悲しい、辛いこともあれば、楽しく、喜びに満ちたものも。
風は、どこから吹いてくるのでしょう。
そして、どこに向かって去っていくのでしょう。
今、僕を包み込んだ風は、いつから吹いているのもでしょうね。
その風が運んだものに、あの頃の僕が、ほんの少しだけ含まれているのかもしれません。
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