その場に馴染む
姿のよいひとは、その場に馴染む。
人々の中にいても、悪目立ちすることは決してない。
自分と合わない人たちの中に、無理に入り込もうともしない。
むしろ、穏やかに集まってくる人たちと一緒にいることが多い。
そして、その人たちと、自分自身の言葉で静かに言葉を交わす。
あるいは、微笑みと息づかいで交流する。
街中や、建物の中にいても、浮き上がらない。
どの時代の、どんな場所にいても、自然に振る舞える、そんな雰囲気をまとっている。
古い建物の側や、昔から残っている家具の置かれた部屋の中で、静かに過ごしていられる。
途切れなく流れている時間の一部になることにためらいがない。
過ぎ去る時間と共に、自分が少しずつ古びていくことを悲しまない。
かえって、時間から置き去りにされることを悔やむのだ。
その場が自分に合わないことがわかると、そっと立ち去る。
周囲の人たちは、そのひとがいなくなったことに、気づかない。
ちょうどそのひとと同じ大きさの空隙に、涼しい風が小さく渦巻いていることを知るだけだ。
その風は、そこにいる人たちにとって不快なものではない。
姿のよいひとは、自分の大きさにちょうど合うくらいの空隙を、ほんの少しの間だけ満たすようにしてその場に馴染むのだ。
*☺☺☺☺☺*
その場に馴染む【姿のよいひと】
書きながら、自分が詩を書いているときと同じような言葉を使おうとしていることに気づきました。一連の、詩になっているかもしれません。
にほんブログ村