港と駅のある街で
三
不意に音が止む
と
空間を埋める雪に遮られていた
街燈の光が浸潤するように
雪片と雪片との間の空隙に広がる
そして
全空間が乳白色に輝き始めたとき
(…微かな羽音…
赤信号が一斉に明滅を開始する
と
また雪が
音が
そして息苦しい空間の重さが
また、微小な物体の運動の稠密さが
時を刻み始める
灰色の男たちは
肺を絞り
絶望の声を上げるのだ
*****
雪の降り頻る夜の、街灯の光が切り取る円錐状の舞台で。
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