雨のち晴れ
雨、が降っていた
暖かな朝だった
妻と娘に見送られて
家を出た車から
たくさんの水滴が落ちた
まだ暗い道を
白いライトで擦りながら走る
濡れた猫の死骸がまだある
ライトの破片が散らばっている
打ち合わせを終え
蒸し暑い電車の中で過ごしていると
建設中のやせた骨組みの向こうに
沈む夕日が見えた
それは、温かな裏側に逃げ込むような
穏やかな顔だった
電車を降りると
僕だけが冷たい風に包まれた
*****
朝から夜まで、僕たちは歩き続けますね。
同じところを、何度でも。
それが平気になってしまった頃に、突然強い風が吹いて、空を見上げることを思い出させてくれるような気がします。
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