安心感の研究 by 暖淡堂

穏やかに日々を送るための試みの記録

*本ブログにはスポンサーによる広告が表示されています

幼稚園に通っていなかったこと、子供の頃の過ごし方 【沙河17】

  

市街部から離れたところに住んでいたので、幼稚園に通うのが簡単ではありませんでした。

 

両親は働いていて、決まった時間に送り迎えするのは難しい状況。

祖母も毎日送り迎えすることはできません。

 

また、子供の頃の僕は、同年代の友人を作るのが得意ではありませんでした。

祖父母と同年代の人たちとはすぐにうまくやれたのですが。

 

毎日どこかに通うというのが、とても面倒くさかったのかもしれません。

自由気ままな時間を、できるだけ長く過ごしたかったのかも。

  

【沙河】昭和四〇年~昭和五〇年 (九)①

  

 私は五歳になっても、幼稚園には通っていなかった。

 幼稚園まで遠く、子供の足では片道一時間はかかったと思われる。途中で大きな道路を何本か渡らなければならなかった。近所に、同じ年齢の子供がいなかったので、一人きりで通う必要があった。

 それが家族にしてみれば不安だったのだろう。毎日両親の誰かが幼稚園まで送って行くことも出来なかった。両親はいずれも、普段は外に働きに出ていた。

 また、私自身も当時は人見知りをする子供だったので、子供がたくさんいるところにはあまり行きたくなかった。何度かは、幼稚園に連れて行かれそうになると、泣いて愚図ったかもしれない。それやこれやの理由で、結局幼稚園には通っていなかった。

 それでも、いつまでも一人きりで過ごすことなど出来ないことは、家族の誰にもわかっていた。やがて小学校に入学し通学しなければならないのだ。

 小学校は幼稚園よりもずっと近くにあった。間に遮蔽する建物がなかったので、家からも小学校の校舎の一部は見ることが出来た。なので、通学自体に心配はない。

 他の子供と友だちになれるか。うまく友だちと馴染むことが出来ず、孤立してしまうのではないか。それが親たちの不安の種だった。

 通園することになっていた幼稚園の先生方も、気にはしていたのだろう。幼稚園の行事案内は届いていたようだ。

  

「沙河」(暖淡堂書房)から

 

   

*☺☺☺☺☺*

    

幼稚園側は、僕がいることを把握していたようです。

両親も、特に僕がいることを隠していたわけではないと思いますし。

それでも、なんとなく幼稚園には行かないまま、時間が流れていました。

  

  

幼稚園に通っていなかったこと、子供の頃の過ごし方

【沙河17】

  

またお立ち寄りください。

どうぞご贔屓に。

 

 

 

 

f:id:dantandho:20210924172547j:plain

dantandho

にほんブログ村 ライフスタイルブログ ほどほどの暮らしへ
にほんブログ村

 

PVアクセスランキング にほんブログ村
PVアクセスランキング にほんブログ村