海外に出張することが増えていた。
ドイツのデュッセルドルフは日本からの直行便があり行きやすい。
日本人街と呼ばれる地域もあって、滞在も比較的安全であった。
この街には数回出張した。
そのうち、最初の訪問を除いて、いずれも一人で行くことになった。
2014年10月の滞在時。
春頃から義父の体調が悪かった。
何度か入退院を繰り返していたが、出張期間中に危篤状態となったとの連絡を受けた。
出張の滞在予定は残り1日ほどだったので、予定の行程を済ませてから帰国した。
上の写真は帰国前日の午後のデュッセルドルフ市内の様子。
親しくしてくれていた義父のことを思いながら、足の向くままに歩いていた。
時々冷たい雨が降った。
帰国した自分と入れ替わるように、妻は急いで帰省した。
義父の意識は無くなっていたが、妻は顔を見て、一旦家に戻った。
それからわずか数日で義父が亡くなった。
僕は、夏に帰省した時にあった義父の笑顔と、冷たい雨の降るデュッセルドルフの街の風景を思い出していた。
雨のデュッセルドルフ 2014年10月
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