安心感の研究 by 暖淡堂

穏やかに日々を送るための試みの記録

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こんな青春もあり得た 午前零時のサンドリヨン 相沢沙呼

「あ」で始まる作家を読むということをしなければ、この作家の本を読むことはなかっただろう。

 

”ボーイ・ミーツ・ガール”ミステリというジャンルがあることも知ることはなかっただろう。

 

そして、この年齢にして、この充実した時間を過ごすという機会を一つ逃したのだろう。

 

「フェイはね、妖精なの。ペローのサンドリヨンや、ディズニーのシンデレラで、魔法をかけてくれる魔法使いの女性が現れるでしょう。彼女は魔女ではなくて、妖精なの。彼女がフェイなのよ。私、子供の頃に、フェイになりたいって思ってた。誰かを励ましたり、楽しませてあげたり…そんな魔法をかけることのできる魔法使いになりたかった…。けど、やっぱり無理ね。現実は、御伽噺のようにいかないもの」

 

登場人物たちは皆、自分と他人との関係の「理想と現実」のギャップに悩む。

 

主人公が出会い、心惹かれた少女は、友人に認められるために必死に身につけた手品の技を磨く。

 

才能もあり、観察力の鋭さもある。

 

そして、二人が遭遇する事件の真相を、少女は推理する。

 

しかし、少女が本当に求めているものは、いつまでも得られない。

 

それに、主人公は気づくことが出来るのか。

 

少女が求めていることに応えることができるのか。

 

「素直になれないのよ、あの子。不器用で、仕方ないの。でもね…」

 声を震わせ、彼女は言う。

「わたしは、信じてる。あの子の夢は、本物だってこと」

 

少女の友人から、主人公は、少女の心を開くことを託される。

 

密室の謎を解いた少女は、しかし、泣き崩れてしまう。

 

主人公は、勇気を出して、少女に言葉をかける。

 

 

自分の青春時代は、こうではなかった。

もっともっと武骨で、そして格好悪かった。

 

でも、こんな青春もあり得たかな。

勇気の問題かな。

 

そんなことを考えた。

 

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炭鉱と石狩川で発展した町 砂川の名前の由来をご存知ですか? 

こんにちは、暖淡堂です。

僕は北海道砂川すながわで生れ、18歳で旭川の大学に進学するまで暮らしていました。

 

夕張山地につながる山々を東側に、石狩川を西側にもつ細長い街です。

西の先には雄大なピンネシリやその周辺の山脈も見えます。

 

まっすぐ伸びた国道12号線の直線部分が終わる北端の街でもあります。

函館本線が並行して走っています。

 

古くは炭鉱を利用した工業や交通の要衝として栄えました。

現在は、農業を中心に、スイーツや化粧品などの産業で頑張っているようです。

 

www.city.sunagawa.hokkaido.jp

 

暖淡堂の、愛すべき故郷です。

で、今回は、砂川の名前の由来を紹介したいと思います。

 

砂川の名前の由来

北海道にはアイヌ語を意訳した地名が多く存在します。

 

砂川もその一つ。

 

アイヌ語「オタウシナイ」と言われていた地域になります。

「オタ」が砂、「ウシ」が多い、「ナイ」が川。

 

街の中を流れる「パンケオタウシナイ川」、「ペンケオタウシナイ川」などがあり、砂が河岸に多い土地だったのでしょう。

 

周辺に、炭鉱で発展した歌志内がありますが、こちらはこの「オタウシナイ」の音を漢字表記したものと思われます。

 

炭鉱と石狩川で発展した町 

砂川の名前の由来をご存知ですか?

 


 

 

砂川で生まれてから高校生までの期間を小説にしてみました。

是非ご一読ください。

舞台は炭鉱で採掘された石炭と石狩川の水を利用した化学工場を中心に発展した小都市。
北海道入植者の系譜につらなる家庭に生まれた少年は、そこで、多感な少年時代を過ごし、成長した。
高度経済成長期に続く昭和40年代、50年代。
時代が大きく変わり続ける中、少年はやがて家を離れて一人きりで生きていくための心の準備を始める。

沙河 (暖淡堂書房)

沙河 (暖淡堂書房)

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人皆欲智、而莫索其所以智乎。春秋時代から伝わる心術の歴史 第11回 【管子四篇】

こんにちは、暖淡堂です。

管子四篇の「心術」を、ゆっくりと読んでいます。

 

前回の内容は以下になります。

 

dantandho.hatenadiary.com

 

 

今回は、知識を求めることについて述べた部分になります。

 

 

人皆欲智、而莫索其所以智乎。

 

以下の様に分けて読んでいきます。

 

  • 人皆欲智
  • 而莫索其所以智乎
  • 乎?

人皆欲智

欲は「欲する」、「求める」という意味ですね。智は「知恵」とか「知識」、あるいは「先見」で、人よりも先に知ろうとすることなど。読み下しは「人皆智を欲す」。意味は「人は誰でも知識を欲しがる」。言おうとしているのは、誰よりも先に知って得をしようとする、という感じです。

 

而莫索其所以智乎

而は「しこうして」と読まれます。句や文をつなぐ役目をします。「それで」、「だから」、「しかし」など、前後の流れに合わせて読み方を選びます。今回は「しかし」と読みます。莫は「なし」。否定です。索は「もとめる」。縄を結び付けて引き寄せるようなニュアンスです。所以は「由来」とか「根拠」、「原因」などの意味。読み下しは「而して、その智の所以をもとむるなし乎」。「乎」はそのまま残しておきます。意味は「しかし、その知識の根拠となるところを求めはしない」という感じです。

 

乎?

乎は「~か」のような、強調とか感嘆とかを表現するためにつけられるものです。これ単独では意味がないのですが、その前の文章を受けていますので、それなりに読んでおきます。ここでは「残念である」のような嘆きのニュアンスですね。

 

原文:人皆欲智、而莫索其所以智乎。

書き下し文:人皆智を欲す、而してその智の所以を索むることなし。

意味:人は知識を求めるが、その知識の根拠となるところを求めはしないではないか。

 

(「管子四篇」ペーパーバック版も発売中です。どうぞよろしく)

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