こんにちは、暖淡堂です。
管子四篇の「心術」を、ゆっくりと読んでいます。
前回の内容は以下になります。
今回は、知識を求めることについて述べた部分になります。
人皆欲智、而莫索其所以智乎。
以下の様に分けて読んでいきます。
- 人皆欲智
- 而莫索其所以智乎
- 乎?
人皆欲智
欲は「欲する」、「求める」という意味ですね。智は「知恵」とか「知識」、あるいは「先見」で、人よりも先に知ろうとすることなど。読み下しは「人皆智を欲す」。意味は「人は誰でも知識を欲しがる」。言おうとしているのは、誰よりも先に知って得をしようとする、という感じです。
而莫索其所以智乎
而は「而して」と読まれます。句や文をつなぐ役目をします。「それで」、「だから」、「しかし」など、前後の流れに合わせて読み方を選びます。今回は「しかし」と読みます。莫は「なし」。否定です。索は「もとめる」。縄を結び付けて引き寄せるようなニュアンスです。所以は「由来」とか「根拠」、「原因」などの意味。読み下しは「而して、その智の所以を索むるなし乎」。「乎」はそのまま残しておきます。意味は「しかし、その知識の根拠となるところを求めはしない」という感じです。
乎?
乎は「~か」のような、強調とか感嘆とかを表現するためにつけられるものです。これ単独では意味がないのですが、その前の文章を受けていますので、それなりに読んでおきます。ここでは「残念である」のような嘆きのニュアンスですね。
原文:人皆欲智、而莫索其所以智乎。
書き下し文:人皆智を欲す、而してその智の所以を索むることなし。
意味:人は知識を求めるが、その知識の根拠となるところを求めはしないではないか。
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