安心感の研究 by 暖淡堂

穏やかに日々を送るための試みの記録

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人皆欲智、而莫索其所以智乎。春秋時代から伝わる心術の歴史 第11回 【管子四篇】

こんにちは、暖淡堂です。

管子四篇の「心術」を、ゆっくりと読んでいます。

 

前回の内容は以下になります。

 

dantandho.hatenadiary.com

 

 

今回は、知識を求めることについて述べた部分になります。

 

 

人皆欲智、而莫索其所以智乎。

 

以下の様に分けて読んでいきます。

 

  • 人皆欲智
  • 而莫索其所以智乎
  • 乎?

人皆欲智

欲は「欲する」、「求める」という意味ですね。智は「知恵」とか「知識」、あるいは「先見」で、人よりも先に知ろうとすることなど。読み下しは「人皆智を欲す」。意味は「人は誰でも知識を欲しがる」。言おうとしているのは、誰よりも先に知って得をしようとする、という感じです。

 

而莫索其所以智乎

而は「しこうして」と読まれます。句や文をつなぐ役目をします。「それで」、「だから」、「しかし」など、前後の流れに合わせて読み方を選びます。今回は「しかし」と読みます。莫は「なし」。否定です。索は「もとめる」。縄を結び付けて引き寄せるようなニュアンスです。所以は「由来」とか「根拠」、「原因」などの意味。読み下しは「而して、その智の所以をもとむるなし乎」。「乎」はそのまま残しておきます。意味は「しかし、その知識の根拠となるところを求めはしない」という感じです。

 

乎?

乎は「~か」のような、強調とか感嘆とかを表現するためにつけられるものです。これ単独では意味がないのですが、その前の文章を受けていますので、それなりに読んでおきます。ここでは「残念である」のような嘆きのニュアンスですね。

 

原文:人皆欲智、而莫索其所以智乎。

書き下し文:人皆智を欲す、而してその智の所以を索むることなし。

意味:人は知識を求めるが、その知識の根拠となるところを求めはしないではないか。

 

(「管子四篇」ペーパーバック版も発売中です。どうぞよろしく)

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dantandho
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