安心感の研究 by 暖淡堂

穏やかに日々を送るための試みの記録

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【現代詩】「変 域」 境界線上を滑落しながら発熱する液滴のイメージ 現代詩の試み

 

変 域

  

その白い膚に凝るように寄り集まる滴は

互いの境界を食い破りながら成長し

表面を泡立てながら発熱する

越境する水銀球になる

 

それ、

は、

ゆっくり、

      と、滑落しはじめる…

 

水銀球は

産毛の上を転がりながら

急激に発熱し不意に泡立つ転移点に到る

 

乱れる

表面では

どの「私」への

収縮をも拒む「私」達が

表面を走る漣に乱されながら

球の内側から伸びてくる無数の紐に

きつく縛り上げられて

生ぬるい底に

呑まれる

 

二つ目の水銀球は

わずかな窪みをなぞりながら

耳、首筋、胸、腹、背、を辿り

急激な変域を介してその向こう側を震わせ

発熱させる、そして界面を埋め尽くす

赤く染まる熱い膚の冷たい汗

震える声は変域の両側で

いずれも受動的に

強度を増す  

  

  

 

 

 

【現代詩】「地下茎」

深い地底で醗酵する古代の遺物のイメージ

現代詩の試み

 

またお立ち寄りください。

どうぞご贔屓に。

 

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