安心感の研究 by 暖淡堂

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【読書記録】北方謙三 「楊令伝十五 天穹の章」 夢として伝承されるもの

北方謙三さんの「楊令伝」、全巻再読しました。

二度目も面白く読み進められました。

年で、物忘れが激しくなっていることもあるかもしれませんね。

 

「楊令伝」は「水滸伝」を承けて続けられたシリーズ。

楊志の子として育てられた楊令を主人公としています。

水滸伝」の登場人物が多く引き継がれていて、全体としてのシリーズものとしても楽しめます。

 

また、「楊令伝」の初めの頃には岳飛も登場します。

岳飛は、「楊令伝」に続く「岳飛伝」の主人公。

続くシリーズの物語も並行して語られている形ですね。

 

北方謙三さんの一連の作品を読んで、感じたことは以下になります。

 

国を土地(領地)として考えない

北方謙三さんの多くの作品に共通して描かれているのが「交易」の力。

水滸伝」では、それは「塩の道」として現れますが、「楊令伝」ではさらに発展して「交易の道」となります。

その交易で国を運営するというのが、「楊令伝」の一つのテーマです。

通常の国は、帝がいて、支配される人々がいて、その人々が暮らす土地があります。

人々は税を納めています。

それが通常の国の形。

それを、人々が納める税を極力少なくして、交易で上がる利益で国を運営する。

そのような試みが「楊令伝」で描かれる梁山泊という国で行われます。

 

それは楊令を中心にした梁山泊の面々の夢でもありますね。

しかし、その夢には、この「楊令伝」の最終巻で一つの決着がつけられます。

 

 

引き継がれる親子の物語

北方謙三さんの「水滸伝」のシリーズには、たくさんの親子が登場します。

そして、さまざまな思いが引き継がれます。

楊令は楊志の子。

直接の血縁はありませんが、子として育てられます。

楊志梁山泊の敵、宋の青蓮寺が送り込んだ刺客との死闘の末、楊令の目の前で死にます。

楊令は容姿や、その他大勢の死んでいったものたちの夢や思いを背負って、梁山泊を率いることになります。

 

そそられる食べ物

北方謙三さんの時代物に共通する食べ物で、とてもそそられているものがあります。

それは、「野兎」。

野兎を捕まえて、皮を剥いで、木の枝に刺し、焚き火で炙ります。

炙られると、油が火に落ちてジュっという。

読みながら、いい匂いが漂ってくるようです。

それに塩や香料をふりかけてかじりつく。

それがとても美味しそうです。

 

by カエレバ

 

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北方謙三 「楊令伝十五 天穹の章」

夢として伝承されるもの

 

引き続き「岳飛伝」を読み進めます。

その後の「チンギス紀」はまだ終わっていないので、その展開も楽しみです。

またお立ち寄りください。

どうぞご贔屓に。

 

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