安心感の研究 by 暖淡堂

穏やかに日々を送るための試みの記録

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思いがけないものに落ちたこと 【沙河10】

北海道砂川で過ごした昭和の日々

  

昭和40年代、深川の町外れ、国道12号線沿いに温泉施設がありました。

そこに家族で何度か出かけています。

その大浴場でも深みにハマって溺れかけたことがあります。

  

家族で出かけられる温泉施設はたくさんありましたね。

奈井江、浦臼、上砂川、深川などへはよく出かけました。

そのどれもが、たくさんの人で賑わっていたように記憶しています。

炭鉱が閉山するちょっと前の頃のことですね。

  

【沙河】昭和四〇年~昭和五〇年 (五)②

  

 その後も、私は数回水に落ちている。母の実家の庭に池があった。その縁で遊んでいて、落ちた。また、夏だった。水の中から空を見上げたのを覚えている。

 その時は誰に助けてもらったのだろうか。お盆で親戚が集まっていた。その中の一人だったのだろう。

 それから、温泉施設の大浴場でも落ちた。大きな湯船の深みにはまった。一緒にいた父が私を抱き上げた。

 

 畑の隅にあった肥溜めにも落ちたことがある。

 冬だった。雪に埋もれた畑の隅に、冬の間だけ仮に作られた肥溜めだった。

 その時、私はなぜか肥溜めの縁で遊んでいた。そこに溜められているものに対する嫌悪感が不思議となかったようだ。

 何かの拍子に足を滑らせた。縁から滑り落ち、両足から腰の近くまで沈んだ。

 その危機からは母が救ってくれた。

  

  

「沙河」(暖淡堂書房)から

 

   

思いがけないものに落ちたこと 【沙河10】

 

またお立ち寄りください。

どうぞご贔屓に。

 

 

 

 

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