放射光
高速の
無言の
粒子の群が
強力な磁場で
曲げられる時
ささやき交わす
(…、ああ、ああ、〝私〟は…
層状に重なる声は
青白い放射光となり
巨大な輪の中心にそびえる
鳥居を
浮かび上がらせる
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宇宙のどこか遠い涯から飛んでくる無数の粒子を、私たちは浴びながら暮らしています。
私たちの身体をすり抜ける粒子群。
それを曲げてしまうほどのものが、もし私たちの身体のなかにあるとしたら。
それが聳え立つほどの大きさの、鳥居なのではないかと思いました。
そんな思いを書いてみた詩です。
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